このブログは日々食べたものや食べ物について考えたことを記録しているブログです。 プロのフードライター目指してるのでお仕事ください。

スシロー

寺沢大介先生がスシローのプロモーション漫画を描いていた(全10話、現時点で第9話まで掲載)。

https://www.akindo-sushiro.co.jp/sushiroad/

完璧でなければすべてフェイクというストロングスタイル食文化漫画の美味しんぼとは異なり、食は文化であると同時に生活でもあるという視点を崩さない寺沢先生としては、当然回転寿司も否定する対象ではないものの、それでも最初は違和感を感じました。

だってスシロー美味しくないですよね。最後に行ったの10年くらい前ですが、シャリがガチガチで典型的な「握り飯の上に刺身のっけただけ」という記憶が強く残っており、まあ安かろう悪かろうだなという認識でした。

とはいえ寺沢先生の漫画をタダ読みするわけにもいかないので10年ぶりくらいにスシローに行ってきたわけです。

結論としては普通においしかったです。漫画にも描かれているとおり、シャリが大変おいしくなっていました。まあメーカーもいつまでも技術進歩しないわけはないのですが、それにしてもこれは普通に職人が握ってる回転寿司よりシャリのデキがよいです。

ネタはものによるのですが、回転寿司で相対的に旨いイカとサーモンは当然として、回転寿司の泣き所だと思っていたマグロがおいしかったのは驚きでした。しかしどうやってホンマグロをこの値段で出せてるんだろう?
一方、ウニとか大トロとかアワビとか客寄せの為のネタはいまいちでした(アワビはネタが剥がれていた)。

というわけで、10年くらいいろんなところで「スシローは旨くない」と言い続けてきましたが、ここに撤回いたします。

まあちゃんとした店の握り寿司にはまだまだ及ばないけどね。ランチなら2000~3000円で食べれるし、スシローでもついつい2000円くらい食べちゃうこと考えればいい店のランチの寿司食べた方が満足感は高い。

しかしスシローが流行るわけだわと思い知らされました。

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浅草志乃多寿司のかんぴょう巻といなり寿司

みなさんが翔太の寿司でいちばん好きなエピソードはなんですか?
翔太の寿司は最初のひとコマから最後のひとコマまで一分の隙もない完璧なマンガのひとつなので、そのエピソードもすべてが珠玉で優劣もつけがたいのですが、主観的な要素によって好みのエピソードが生まれる可能性はあります。

私にとってそれはかんぴょう巻の話です(次点はアナゴのタレの話)。みなさんご存じかとは思いますが、かんぴょう巻の話は、かんぴょうが寿司屋にぞんざいに扱われていることにショックを受け廃業しようとするかんぴょう農家を見て、心を入れ替えた小政が精魂込めて巻いたかんぴょう巻で新人寿司職人コンクールで優勝するという話です。

ですが、長年の疑問だったのが「そんなにうまいかんぴょう巻が本当に存在するのか?存在するとしてどこに行けば食えるのか?」ということです。

そして20年の時を越えついに巡り会った究極のかんぴょう巻が浅草志乃多寿司のかんぴょう巻です。
志乃多寿司は浅草の他に神田、人形町、四谷とありますが、他の店舗が太巻きなども出しているのに対して、浅草はかんぴょう巻といなり寿司しか出していないという超ストロングスタイルです。
しかし、海苔の風味、シャリのバランス、そして何よりかんぴょうの味付けと食感が完璧で、かんぴょう巻とはここまで美味くなるのかと思い知らされます。
いなり寿司も味付けとジューシーさが素晴らしく、ここよりうまいいなり寿司はちょっと記憶にないです。

日本人のノスタルジーに突き刺さる味なだけに、遠からずかんぴょう巻ブームが来ると確信している今日このごろです。

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米沢牛(ふるさと納税)

令和2年度分のふるさと納税で頼んだ米沢牛が届きました。
見るからにうまそうですね。
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どう食べるかが問題ですが、海原雄山曰く「すきやきは牛肉を一番まずく食う食い方」だそうなのですが、甘く煮た牛肉と卵の組み合わせのインパクトは否定しがたいものがありますよね。

でもやはり海原雄山のいうことは一理あり、正直米沢牛のスライスは塩とコショウで軽く炒めて食うのが旨いと思います。素材の味がどうのとかいう気はまったくないんですが、すきやきにしても別にうまさがアップするような気がしないんですよね。
すきやきだと「すきやきうまいな」っていう感想ですけど、これだと「肉うめええええ」って感想になります。
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ただしこれは温かくて脂が融けているうちに食べないといけないです。冷めてもうまいのは甘く味付けする事の利点ですね。

まあ個人的には米沢牛(というかサシの多い牛肉全般)は厚い肉をステーキで食うのには向いてないと思っているので、スライスをソテーか鍋で食べるのがいいですね。
最近赤身肉ブームですけど、米沢牛もステーキ向きの赤身肉あればいいんですけどね(あるけど知らないだけなかもしれない)。

恒の天抜き

蕎麦屋で飲むのって幸せですよね。しかも真っ昼間からとなると尚更です。年末行きそびれたので吾妻橋にある「恒」で飲んできました。
https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131203/13127085/

蕎麦屋で飲むとなると必然的に日本酒になるわけですが、そのときのつまみですけど、やはり天抜きがベストではないでしょうか。
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天抜きとは「天ぷら蕎麦の蕎麦抜き」の略で、そばつゆに天ぷらをいれただけのものです。ただこれが塩気あり油っ気あり出汁気ありで日本酒のつまみとしては理想に近いものだと思ってます。
問題は蕎麦屋でも品書きに入ってないところが多く、蕎麦屋に通う→店主とそこそこ仲良くなる→天抜きできませんかと聞いてみる、という手順を踏まないと行けないのでハードルはそこそこあります(神田やぶそばとか神田まつやみたいな老舗では最初から品書きに入ってるので頼みやすいです)。
また、つゆの旨い店は冷たいつゆと温かいつゆと両方飲みたいけど蕎麦をふたつ頼むのはなんとなく野暮なので温かいほうを天抜きでもらうのイキなのではないかという気もします(錯覚だと思いますが)。

ここはもちろん他のつまみや蕎麦も旨く、普通の細い蕎麦は瑞々しく鮮烈で濃いめのつゆによく合います。逆に太い方の田舎蕎麦は蕎麦のうまみを存分に味わうことができます。
今年もうまい蕎麦を食べていきたいと思います。
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一正の香ばし生ちくわ

ちくわは好きですか?
私は基本的に練り物がすきなのでちくわも好きですが、正直どれ食べても大差ないと思ってました。このちくわに出会うまでは。

一正といえば一口目は確かにうなぎと錯覚する「うな次郎」で有名ですが、ちくわでも食うかと思って買ったこれが衝撃的に旨い。

タラのすり身100%だそうだけど、まず食感が違い、ザクザクとした歯ごたえで「こんなちくわがあったのか!」という感動が。
穴にキュウリを詰めるとわりとキュウリに負けて存在感がなくなりがちなちくわも、このちくわだとキュウリと完璧に調和して、キュウリちくわのひとつの完成形を見ることができる。
最近小腹がすいたらとりあえずちくわを齧ってます。糖質もそんなに多くないし。

スーパーで買えるちくわでこれ以上のものはちょっとないと思うので、見かけたら騙されたと思って買ってみてください、ちくわ観が一変しますよ。

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https://www.ichimasa.co.jp/products/products_item.asp?id=1053

松川弁当店の牛肉おせち

おせちはあんまり好きではないので買う気はなかったのですが、米沢市ふるさと納税で松川弁当店が牛肉おせちを出していたので頼んでみました。
米沢駅では牛肉どまんなかで有名な新杵屋と松川弁当店が駅弁を出しており、松川弁当店は牛肉どまんなかに知名度では劣るものの味では引けをとりません。
なのでおせち料理にも期待して頼んでみましたけどこれが大当たりでした。
まあ伝統も大事ですけどやっぱりうまいもの食べたいですよね。

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2020年新規開拓店の感想

2020年に新規開拓した店のなかで良かったところを紹介します(私が初めて行った店という意味で、新規オープンした店ではないです。)。

一芯庵
緊急事態宣言の一週間前にオープンした悲劇の蕎麦屋
しかし味は素晴らしい。ミシュラン掲載店にもぜんぜん負けていない。
蕎麦もよいが蕎麦がきが大変美味しく、これまで蕎麦がきなんて「所詮そば粉で作った団子でしょ」という認識が完全に間違いだったことがわかりました。心の中の山岡士郎が「本物の蕎麦がきを教えてあげますよ」という声が聞こえます。なんというか滋味の塊。
人生最後になにを食べるかという問いには肉とか寿司とか答えてしまいがちですが、胃腸が健康だけど明日隕石が衝突して死ぬのが確定しているという状況ならともかく、末期ガンで明日から入院して娑婆のメシはこれが最後みたいな状況では脂のキツいもの食えないと思うんですよね。
そういう状況での選択肢としてはかなりの有力候補です。
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中華&BARテンスイ
いわゆる町中華とバーが融合してる店。中華がちょっと独自な感じでうまい。店名を冠した天水飯が味がガッツリしててうまいです。
バーの方は曲にあわせてオリジナルカクテル作ってくれるのでいざゆけ炎の若鷹軍団とかで作ってもらいました(私は巨人ファンです)。
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わちゃごな堂
食パン、総菜パン、こだわりのパンとどれもレベルが高く、特に普通の食パンが大変おいしい。近所においしいパン屋がなかったのでありがたい。
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MAKIN
清澄白河に最近できたタイ料理。かなり本格的でランチについてくるトムヤムスープが辛くて酸っぱくてうまい。ベタですけどガパオとグリーンカレーが好きです。カオマンガイは平日の日替わりランチのみなので難易度高し。
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たがわ
新橋にある福岡の田川がルーツのモツ鍋屋。ネットで東京で一番うまいといわれていたので行ってみたけど確かにうまい。しかも安い(というか一人前の量が多い)。
いつも満席のようで予約がなかなかとれないが万難を排して行く価値がある。喫煙可なので苦手な人は注意。
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坂本屋
最後は反則気味ですけど新規開拓には間違いないので西荻窪の坂本屋。今更紹介するまでもなく、日本一うまいカツ丼の店といわれている。店主もご高齢で営業時間がかなり短いですけどまさにカツ丼の極みです。
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